建保5年(1217年)醍醐寺 第二十七代、三十代座主である光宝和尚により開創。当時の本尊は”地蔵菩薩”。寺名は「勝軍山 地蔵院 十輪寺」。
後に、元禄5年(1692年)徳川光圀公が訪れ、当山の本尊を“馬頭観世音菩薩”に、寺名を「武茂山 十輪寺 馬頭院」に改めました。
その際、光圀公は記念樹として枝垂栗(三度栗)を植えたとされ、現在では県の天然記念物に指定されています。また、他にも境内にはソメイヨシノやシダレザクラ、モミジやイチョウなど、様々な植物が植えられ、四季折々の美しい風景を楽しむことが出来ます。
●東国へんろ
馬頭院は関東八十八カ所霊場の第二十七番霊場に指定されています。
●関東八十八カ所霊場
関東八十八カ所霊場は、関東に開かれた「平成の大師の道」です。関東の地に新しい大師信仰の芽を根付かせよう、大師の教えを生かしながら、21世紀の「空海の道」を実践しようと開創されました。
弘法大師に学ぶ1つは、歩くということです。歩くことによって、ひと足ひと足の感触を深め着実に精進することです。2つには、人の悲しみを友に生きる利他行の実践です。この2つのことを通じて、本来仏である自分に目醒めていくのが遍路行だともいえます。
●東国花の寺 花の寺めぐり
「東国花の寺」は、関東一円(1都6県)にまたがる花をご縁とした寺院によって構成されています。花木を通し「いのち」の貴さ、慈しむ心を育て、あたたかい家庭づくりや豊かな地域社会づくりの心を喚起し、大衆有縁に利益と心身安楽を与えんことを究極の願いとするものです。
●那須三十三所観音霊場 祈りの旅・自然のやさしさに抱かれて
およそ三百年前の天保二年、下野・白河の観音百堂を巡拝し、寺堂ごとに歌を献じた巡拝記「下野・陸奥百観音巡礼記」(大金重貞記)がある。それは、東三十四、南三十三、西三十三観音の三コース、合わせて百寺堂(霊場)である。
後に東三十四霊場の内、主な寺堂、その他、雨、西霊場から選び合わされ、那須三十三観音霊場が組織された。 大正、昭和初期までは、これら百観音、三十三観音巡拝は盛んであったが、時の変遷とともに衰退してまった。
しばし時が過ぎ、十数年前、大いなる観音力により、以前のそれらを基とし、那須郡十市町村にわたる三十三ケ寺の結縁あって、現在の「那須三十三観音霊場」が再興された。
上古代遺跡、那須連山、那珂川、そして那須野ヶ原の大自然こ抱かれたこの地こそ「観音霊場」の姿そのものである。
観音さまは「人の音(ことば)と心を観じて苦労を解脱せしめる仏様」である。 巡拝することにより、観音さまのお導きをいただき、あなたご自身の、まことの宝をもとめて下さることを祈ります。